青空フェスティバル  水元公園にて
10月10日(土) 

 スイミーが泳ぎ回る当日の劇場(大芝生広場)は曇り空ではありましたが、たくさんの“スイミー”の仲間たちやおじいちゃんおばあちゃん、小中学生、そして、お父さんたちが毎週日曜日に集まって作って下さったスイミーや巨大な魚やエビ、イソギンチャクも含めて多くの方々が集まって始まりました。
幼稚園の生活を通して楽しんできた“スイミー”のダンスや競技を、広い草原を泳ぎ回るかのように走りました。特に年長児のリレーでは、クラスごとにさまざまなドラマがあり泣き笑いぶつかり合い葛藤し仲間と共に“勝つ”ために練習を繰り返してきました。勝つための練習をすればするほど勝ち負けを強く意識できない友達や運動機能的に上手く体を扱えないような仲間を含んだリレーの勝敗は明らかとなり、子どもたちも大人も葛藤し悩みました。ダンス作りも同じなのですが、頑張らせようとすればするほど仲間が崩れ始め、先生が練習に誘いにやってくると逃れるようになってしまいました。ここからがドラマのスタートでした。ある保育者は投げ出すように「ダメだ、どうしたらいいのだろう」と考え込むような日々が続き、子どもたちに「上手くいかないのだけれど・・・」と訴えることもしてみました。
保育者の迷いや上手くいかない思いが子どもたちにも届いたのか、保育者の思いどおりに動いてくれない友に対して、周りの子どもたちからの、励まし、支えるかのような柔らかな視線が向かい始めると、何かが変わり保育者の気持ちも一歩前に動きだしたのです。歯車がかみ合い、力が抜け、子どもたちは自分たちで作り始めるかのように躍動的に動きだしたのです。最後には悔しくて涙も流したのですが、仲間と最後まで作ってきたこのフェスティバルを通して、保育者も子どもたちも何か大切なことを掴んだように感じたのです。

「けっしてはなればなれにならないこと。みんなもちばをまもること」
  “スイミー”の絵本より

 



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