Gちゃんの変化 お母さんの変化
Gちゃんは年少の頃物静かで、はさみや空き箱、のりでべたべたになって遊ぶ友達をじっと見る日が続いていました。
「Gちゃんもやる?」と聞いても、無言で首を振り見ています。
数週間経つと「Gちゃんこれやりたい」とはさみが好きになり、紙を小さく切り続け、嬉しそうに見つけた箱に入れるのです。そんな遊びが2週間ほど続くと、側で遊ぶ友達の真似をするように空き箱や段ボール、画用紙や紐を自由に張り合わせ作り続けます。それは、「○○を作ろう」という事が目的というよりも、素材を扱う事や作る過程を楽しんでいるのでした。「出来た!」と手にするものは一見ぐちゃぐちゃに見えますが、とても満足した様子で大切そうに毎日の様に持ち帰っていました。
その様子が嬉しく「じっくりと作る事を楽しんでいるんですよ。形にこだわらずに色々な材料を扱う事や作る過程を楽しめるって素敵ですね。一緒に過ごしていてとっても楽しいです。」とお母さんに話すと、「そうなんですか?よくわからないものを毎日作って持って来るんです。ずっとはさみばかりやったり、ぐちゃぐちゃな物を作り続ける事って、大事なんですね。」と困惑した様子。年少児の時期に「作りたい」という気持ちを持ち、表現出来る事はとても大切な事、素敵な事、嬉しい姿であると一緒にお話しをしました。
Gちゃんは物静かな印象から「今日は○○をしたい!」と目的を持って登園し、仲間を集め自分のやりたい事を準備して1日が始まる年長のスタートです。
40分程かけモールや革、段ボール片、輪ゴムをとんかちで打ち付けたり、「リレーをしたいから集まって。よーどんの合図、Gがするね」との姿に出会い、保育者も嬉しくなり、これからの1年間が楽しみになりました。
お母さんに年長になった様子を聞くと、「家でも幼稚園の話をよくして、ずっと絵を描いているのでびっくりしています!!明日は~するんだ!と楽しそうなんですよね」と嬉しそうに話してくれました。
「今日も作ったの! これもかっこいいね。昨日作ったのと一緒に飾ろうね」お母さんの手にはGちゃんが作った木片が握られていました。